『君たちはどう生きるか』の眞人は愛着障害ではないかと考察してみます。
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愛着障害とは
愛着障害とは、幼少期に養育者(父・母)と適切な愛着を築くことが出来ず対人関係における問題を抱えていることです。
親と上手く愛着を形成できないことで、対人関係で様々なトラブルが起こったり関係を築くことに困難さを抱えてしまいます。この対人関係のパターンを『愛着スタイル』と言います。
- 不安型
- 回避型
- 恐れ・回避型
- 安定型
愛着スタイルには4種類あり、それぞれ対人関係のパターンに特徴があります。
①不安型…終始周囲に気を遣う、相手の顔色を見ながら機嫌を伺う、相手の反応が悪いと嫌われていると不安になる、気遣いばかりが空回りする
②回避型…距離を置いた対人関係を好む、親密さを回避する、心理的にも物理的にも距離を置く、縛られたくない、人に依存せず依存されないことを好む
③恐れ・回避型…愛着不安と愛着回避がいずれも強い、対人関係を避けて引きこもる人間嫌いな面、見捨てられ不安が強い面、両方を抱え対人関係がより錯綜する
④安定型…対人関係における絆の安定性、自己肯定感がある、信頼している人が裏切ると悩むことはない、困ったときに相談できる、素直に助けを求めることができる
愛着障害になる原因
愛着スタイルは、幼少期の親とのかかわりを通して長い年月をかけ培われていきます。
しかし、愛着を脅かす深刻な状況に陥った際安定型の愛着を形成できなくなってしまうのです。
愛着を脅かす深刻な状況は2つあります。
①愛着対象がいなくなる(死別や離別)
②親からの虐待
死別や離別によって母親がいなくなることは、子どもにとって世界が崩壊することにも等しい過酷な体験です。
眞人も母を火事で亡くしたことにより、世界に対する安心感を失ってしまったのです。
このように、愛着対象がいなくなることは安全基地を失うことに繋がるのです。
愛着が形成されると、子どもは母親といることに安心感をもつだけでなく、母親がそばにいなくても、次第に安心していられるようになる。安定した愛着が生まれることは、安全が保障され安心感が守られること。愛着のこうした動きを『安全基地』という。
親と安全基地を築くことができなくても、夫婦、恋人、友人、ビジネスパートナーといった存在と安全基地を築くことができるよ。ジブリ君たちはどう生きるかではそれを伝えているね。
眞人は愛着障害なのか
眞人は愛着障害なのか詳しく考察していきます。
- 母が死別
- 父が再婚
- 夏子妊娠
眞人は母を火事で亡くすという、安全基地の喪失体験をしています。
このことからも、愛着の対象を失い安全基地の喪失があることが分かります。
父親と安全基地を築くことができると良いのですが、再婚することによりいよいよ自分の安全がおびやかされる状況になっていきます。
新しい母(夏子)と徐々に愛着を築くことが出来たらよかったのですが、既に妊娠していることも眞人にとって脅威となるのです。
眞人は弟という自分を脅かす存在がいることで、自分の居場所が奪われるという恐怖を感じているのです。
また、眞人はエディプスコンプレックスの罠に陥っていることで孤独を深めていくのです。☑【ジブリ君たちはどう生きるか】眞人はエディプスコンプレックス?
まとめ:君たちはどう生きる解説
眞人は母を失い、更に再婚相手が妊娠という安全基地を失い安全・安心を感じることができていない状態と考えられます。
その他にもジブリの解説を楽しみたい方はこちらからご覧ください。※準備中
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