子どものしかり方【自分から宿題をする子になる方法】

本来アドラー心理学は、育児・教育のために考えられたものです。

アドラーは人々を救うためには教育が重要と考え提唱したものとなります。

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アドラーの子育て目標

アドラー心理学では、子どもの成長に対して目標がありそれを達成できるように関わることで子供を援助していきます。

育児面の目標

  • 自立する
  • 社会と調和して暮らせる

心理面の目標

  • 能力がある
  • 周りの人間は仲間である

アドラーの育児目標を達成すると自己肯定感を得て、自分の問題を自身で解決できる人に成長していきます。

自己肯定感が低いと人間関係で様々な問題を抱えやすくなります。

大人になってからも生きづらさを感じる原因になってしまうのです。

子育て目標を達成するためのしかり方

例:宿題をしない子ども

毎日宿題をしないA君。いつもお母さんから宿題をするように怒られています。何度宿題をするように怒っても自ら一向に宿題をするようにはなりません。A君には産まれたばかりの妹がいます。

宿題をしないことで得ることは何か考える

A君が宿題をしないことで得ることは何でしょうか。

宿題をしないことで、お母さんから怒られるという反応を得ているのです。

宿題をしないことはA君にとって、母親のイライラという反応を得るコミュニケーション行動であります。

目的から考える

実際に起きている問題行動の原因から見るのではなく、その問題行動をすることによって得ることのできる結果(目的)は何かを考える必要があります。

問題行動の原因から考えるのは、妹が生まれたため愛情不足という原因にフォーカスする考え方です。

なぜ目的から考えるのか

原因(愛情不足)に着目すると、A君は十分に親の愛情を受けています。

愛情の与え方を間違うと余計に愛情を求めエスカレートしていきます。

目的(母親とのコミュニケーション)から考えることで、コミュニケーションの仕方が分からないだけでコミュニケーションの技術を教えてあげることによりその問題行動は落ち着いていくのです。

罰しない

問題行動を罰したり、叱ったりしても問題行動が落ち着くことはありません。

子どもは怒鳴られても身体暴力を受けたときと同じように、脳にダメージを受けてしまいます。

罰することで得る能力はありません。せいぜい、自分には能力がないという意識を得るくらいです。

適切な行動に注目する

適切な行動に注目することで、問題行動を起こしても注目されなくなるため、わざわざ問題行動を起こす必要がなくなるのです。

ほめるわけではない

「宿題をやってえらいね」とほめることは上から下に対しての評価であります。

ほめられている間は良いですが、親の望む結果が得ることが出来なければ、たちまち自信をなくすことになります。

ほめるというのは、能力のある人が能力のない人に、あなたは<よい>と上から下へと相手を判断し評価する言葉です。

アドラー心理学入門 岸見一郎 p62

外的動機付け・内的動機付け

宿題を自らすすんでしている子どもに、ご褒美を与えると自ら進んで宿題をしなくなります。

ご褒美をもらうという外的動機付けをすることにより、自ら宿題をしたいという内的動機付けを減らしてしまうのです。

普通であるのは勇気がいる

子どもにとって普通であることは勇気のいることで、誰よりも特別で優秀でありたいと思っています。

しかし、優秀であることができずに問題行動をおこして注目されることで特別であろうとするのです。

優れていたいと願うことは必ずしも人間にとって本質的なことではなく、それ自体病的なことであると考えられることができるということです。

アドラー心理学入門 岸見一郎 p64

子どもの自己肯定感を得る【勇気づけ】

そのままの普通の自分でよいという自己肯定感を得るためにできることとは何でしょうか。

罰したり、叱ったりしても子供の普通であるという自己肯定感をくじく原因になります。

喜びを共有する

ほめるのではなく、自分の感じた感情を子どもと共有することが良いです。

「ありがという」「うれしい」「助かった」など自分の気持ちを子どもに伝えることで子供の自己肯定感を高めることができます。

宿題が早く終わったときには一緒に喜び、お手伝いをしてくれた時は助かると感謝を伝えることで、子どもは自分がそのままでここに居てよいのだという自信を持つことが出来るのです。

ただそこに存在しているだけで良い

子どもの自己肯定感を上げるための一番の方法は、ただそこに存在しているだけでよいと認めることです。

してくれたことに対して感謝をするということに注目してしまうと、特別な何かをしなければ認められないことに繋がります。

産まれてきてくれて健康に育っているだけでどの子も素晴らしい存在なのです。

誰の課題か考える

子どもが自分の力で生きていくというアドラー心理学の目標を達成するためには、課題の分離が必要です。

宿題をするという課題は子どもの課題であって親の課題ではありません。

子どもの課題に宿題をするように口出しすることは、相手の課題に踏み込んでいる状態といえます。

自分の課題を他人に解決してもらうことはできません。自分自身で課題を解決できる大人になるよう成長を見守る必要があります。

共同の課題

1人では解決できない課題は、申し出がある限り共同の課題か話し合い、共同の課題であった場合協力して解決していきます。

結末を体験する

本人の課題であった場合、結末を体験することが子どもにとって重要になります。

危険があるときは手を出すことは必要ですが、宿題をせずに学校へ行くなど結末を経験することもときにはあります。

結末を経験することで、子どもの罰や自分には能力がないと感じる体験にならないよう注意が必要になります。

優しく見守る

必要以上に介入せずときには根気よく話し合い、危険な時には止めれるよう子どもの成長を見守ることで自力で課題を解決していける力がつくのです。

参考文献

アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために (New新書) [ 岸見 一郎 ]
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