目を背けていた事実が私を追い詰めている。今まで見えないふりをしていた。というよりも、見たくなかっただけか、そもそも知らなかったと言える。腐った心に蓋をして漏れないようにしていたはずなのに零れてしまった。漏れてしまったこのドロドロの感情は今も際限なく溢れ続けている。終わりは来るのだろうか。
私は強い、傷ついてなんかいないと言い聞かせて全てを乗り越えてきた。そのつもりだった。その宣言さえも毒親による影響でずっと私の心を壊し続けた。自分は傷ついていて、傷つけられてきたという事実を知ったとき、その感情は止まらなくなってしまう。
毒親を許せない。自分の奥底に眠っていたはずの怒りが溢れ、どうしようもない。半ば諦めのように仕方なかったと許していたはずだった。もう二度と戻ることはない壊れてしまった蓋を恨む。
自分が傷ついてきたということを知りたくなかった。止まることのないこの怒りも自覚はしたくなかった。壊れていく自分がそこにいた。やりきれないこの思いをどこへぶつければ良いのだろうか。すべてを終わりにすれば済む。そうぼんやり考えながら立つ窓から地面が見える。
何もかも許すことが出来ない。傷つけられてきたという事実が全身で毒親を拒否する。毒親にきつく当たり、私はこんなにも嫌な奴だったのかと自己嫌悪に陥る。一体全体いつまで苦しめられるのだろう。一生続く戦いなのだろうか。
過去に置いてきた傷ついていた私が反抗期を全力で行っている。今まで痛めつけられることを許してきた分、次は私が許される時が来たのだ。
今更謝ってほしいわけでもない。過去はもう戻らないように、傷ついた心は戻らない。どうしてほしいという気持ちもない。私が欲しいものは永遠に手に入らないのだから。
毒親のようになりたくないと願ったはずだったのに、心を壊されていた私は同じようなモンスターになろうとしている。自分だけは違うと信じていた。
自分がおかしいかもしれない恐怖と毎日付き合い、人にこのドロドロとした感情を出すことも恐ろしい。口に出せば本当に自分がモンスターになってしまったことを、認めることになるからだろうか。
許せないこの気持ちを認めることが出来た先に、本当の自分がいるのだろうか。誰にも分ってもらえない気持ちを抱え、明けたと思っていた夜は続いていく。
いつかあの人のように優しく私はなりたい。
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