ハウルの動く城宮﨑駿が伝えたいこと・メッセージ【解説】

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  1. ハウルの動く城宮﨑駿が伝えたいこと・メッセージ【解説】
        1. ソフィーは大人しい女の子なのか?
        2. ソフィーが母親と妹に似ていないのはなぜか
        3. ハウルとの出会い
        4. 荒れ地の魔女の呪いとは
        5. おばあちゃんになったソフィーが荒れ地に行く理由
        6. かかし頭のカブの正体とは
        7. ソフィーは魔女か
        8. ソフィーがおばあちゃんの姿である理由
        9. ソフィーの自我の芽生え
        10. ハウルがかっこいい理由
        11. ソフィーが何者であるかもハウルは知っている
        12. みんなで食べる食事が美味しそうな理由
        13. ハウルは本当にかっこいいのか
        14. 間接的に思いを伝えるのはなぜか
        15. ソフィーの住む世界では戦争が起きている
        16. ハウルの正体とは一体何か
        17. ハウルもいずれそうなる
        18. 眠るソフィーを見つめるハウルの意味
        19. ハウルが癇癪をおこした理由
          1. 愛されるには自ら自己開示をする必要がある
        20. ハウルが悪の精霊を呼び出す理由
        21. 家から飛び出したソフィー
        22. ソフィーはハウルを愛している
          1. 弱い自分をさらけ出すことで本当に愛されているかわかる
        23. 荒れ地の魔女も独りぼっちの人
        24. サリマン先生はいい人か
        25. ハウルの動く城のかごめかごめは何の意味
        26. ソフィーが若い姿に戻る理由
        27. 魔王になるハウルを救うにはどうすればいいのか
        28. ハウルが家をプレゼントした理由
        29. おばあちゃんの姿に戻るソフィーをみて怪訝な顔をする理由
        30. 守るものや愛するものが出来ると人は強くなれる
        31. ソフィーはずっと人に愛を与えてきた
        32. ソフィーの母親は毒親
        33. ハウルを助けるために動くソフィーは若い姿のまま
        34. ハウルが死んだと思って初めて素直になれた
        35. ソフィーは愛を使う魔女
        36. かかしのカブもソフィーに惚れていた
        37. ソフィーの呪いを解く方法
          1. 本物の愛を知り、愛を伝える魔法のキスが呪いを解く
        38. 本物の愛を手に入れる方法
          1. 自己開示する
        39. 戦争は簡単には終わらない

ハウルの動く城宮﨑駿が伝えたいこと・メッセージ【解説】

ソフィーは大人しい女の子なのか?

ソフィーは親の跡を継ぎ帽子屋を切り盛りしているが、心ここにあらずでやる気がない様に見える。仕方なく働いていますという雰囲気だ。

大人しく良い人に見えるが、私の居場所はここではないという振舞をしている。

しばしば大人しい性格の人は、心の内に攻撃性を隠し持ちいい子として隠す。心の底では怒りに満ち溢れているのである。

ソフィーもまた心の底にある攻撃性をひっそりと隠しているのだ。

いい子の攻撃性とは:いい子は心の内にある怒りや攻撃性をいい子として隠す。怒りの表現が表に出る人は不良のように分かりやすい。しかし、いい子は怒りを外に向けることが出来ず、内に向かうのである。引きこもりなどが分かりやすい例だ。

ソフィーが母親と妹に似ていないのはなぜか

ソフィーが母親と妹に似ていない理由は、”女”であることを利用しているかそうでないかだ。

母親や妹は女であることで見た目の美しさや身体的特徴を使い男たちを惑わしている。

歴史的絵画でも女性は身体的特徴を使い男性の愛を得てきたことが描かれている。

もう一方で、女性は魔力を使い男性を魅了するとも描かれているがそれがソフィーである。

ソフィーも化粧をし、服を派手にすれば見た目は可愛いはずだ。

しかしソフィーは自分が美しくないと思い込んでいるので、それをしようともしない。

そして、美しくない私は愛されないと思っているのだ。

ハウルの動く城が伝えたいことは、見た目の美しさなどどうでも良いそれを超えた愛ともいえる。

ハウルとの出会い

憲兵に絡まれているソフィーを助けたのがハウルだ。

「やっと見つけた」と言ったのは、未来のソフィーが幼少期の頃のハウルに未来で待ってると伝えているからだ。

ハウルはカルシファーと闇の契約をした時からソフィーを探し続けていた。

出会ったときのハウルはとてもカッコ良く、魔法を使いとても強そうに描かれている。

誰しも初対面では良いように自身を繕うのだ。

荒れ地の魔女の呪いとは

ソフィーは、ハウルを追いかけてきた荒れ地の魔女に因縁をつけられ呪いをかけられてしまう。

荒れ地の魔女は若さや美しさにこだわっているため、ソフィーをおばあちゃんの姿に変えてしまったのだ。

その呪いを口にすることは出来ないようにかけられており、いわゆる人魚姫のお話と同じであるといえる。

魔法で自身の魅力を失った女性が、本当の愛で呪いを解くお話なのだ。

おばあちゃんになったソフィーが荒れ地に行く理由

呪いをかけられてしまったソフィーが向かったのは、ハウルのいる荒れ地だった。

出会ったときに一目惚れをしているのと、魔法を使い助けてくれたので呪いの解き方を知っていると願い尋ねるのだ。

かかし頭のカブの正体とは

荒れ地でハウルを探すソフィーが見つけたのは、丁度よい杖ではなくかかしのカブであった。

その正体は魔法でかかしにされてしまった隣国の王子様である。

ソフィーに助けられ、心の美しさに魅了されついてくるのだ。

ソフィーは魔女か

ソフィーはカブが杖を持ってきて、ずっとついてくることに気づいたので「ついでに今夜止まる宿を連れてきてくれたらいいけどね」と伝える。

年寄りになると知恵が働くねとカブが離れて欲しいように言っているが、結局カブがハウルの動く城を連れてくる。

ソフィーの思い通りになっているのだ。

見た目ではなく、心の美しさと言葉にすることで人々を魅了していき思いの通りにしていくソフィーもまた魔女のようである。

ソフィーがおばあちゃんの姿である理由

最初に登場した大人しそうなソフィーと違い、おばあちゃんのソフィーははっきりもの言う図々しい性格に見える。

年を取ったらそのようになるともいえるが、本来の隠していた活発な部分が出てきたといえるのではないだろうか。

ソフィーのいい子ちゃんの下に隠しているソフィーが出てきているのだ。

ソフィーの自我の芽生え

ソフィーは親の跡を継ぎ自分のしたいことを我慢して生きていた。

反対に母親や妹は自分の好きなように人生を謳歌しているように描かれている。

今までのソフィーは自分で人生を選ぶということをしてこなかったのだ。

大人しくいい子ちゃんで周りの望むように演じて生きる。

母親も頼りにならず、早く大人になるしかなかったのだ。

大人しくいい子ちゃんのソフィーが隠していた本来の姿がおばあちゃんのソフィーといえる。

無意識の自我

一番初めに出てくるいい子ちゃんの大人しいソフィーの下に本来のソフィーの人格がある。

その更に下に本心があり、それが無意識の自我であり人々はその本心を隠すために嘘をつく。

ハウルがかっこいい理由

ハウルの動く城へやって来たソフィーは、ハウルと再会する。

朝ご飯を作っていた時に帰ってきたハウルはとてもかっこよく描かれている。

恋をした最初は誰しも相手のことが素晴らしい存在に見えるものだからだ。

ソフィーが何者であるかもハウルは知っている

ハウルはソフィーが何者であるかも知っているが、知らないふりをしている。

私は掃除婦さと言い張るソフィーに対し、「ふーん」と素っ気ない。

内心は、『へー、そういうていで来たんだね』くらいに思っているのかもしれない。

みんなで食べる食事が美味しそうな理由

汚い食器やリビングダイニングだが、みんなで食べる食事シーンはとても美味しそうに描かれている。

家族で食べる食事は美味しいからだ。

ジブリ作品で食事が美味しそうに描かれているのは、食べることが人間にとって一番大切だからだ。

美味しそうに描かれているシーンとまずそうに描かれてシーンを見比べてみてほしい。

決定的に違う何かが見えてくるのではないだろうか。

ハウルは本当にかっこいいのか

食事の際に荒れ地の魔女からの手紙を発見し、ハウルは途中で部屋に行ってしまう。

内心怯えているので、荒れ地の魔女に見つからないようにまじないをかけているあの部屋へ逃げているのだ。

ここではまだ、ソフィーに対して弱さを見せることが出来ないのである。

間接的に思いを伝えるのはなぜか

一生懸命掃除をしているソフィーは、カルシファーの火を危うく消してしまうところだった。

それを見かねたハウルは、「マルクル。掃除もたいがいにしろと掃除婦さんに伝えて」とソフィーの目の前で言う。

直接言えばよいのにと思うが、直接言うのは気が引けるからだ。

まだ出会ったばかりの2人は、本音でぶつかり合うだけの信頼関係が出来ていないといえる。

ソフィーの住む世界では戦争が起きている

ソフィー達の住む世界では、サリマン先生の国とかかしのカブの国が戦争をしている。

この戦争を止めるためにもハウルの動く城から学ぶことが沢山あるのだ。

戦時中でも人々の暮らしは続いており、日常生活の隣に戦争があるのだ。

朝食を買いに街へでかけたソフィーとマルクルが目にしたのは、戦地から帰ってきた軍艦にとどめを刺そうと爆弾がおとされている光景だった。

ソフィー達の住む町まで戦火がそこまで忍び寄っていることが分かる。

ハウルの正体とは一体何か

ソフィー達が眠る中、戻ってきたハウルの姿は半人間であった。

カルシファーと「同業者を見た」「やつら戻れなくなる」「時期にそんなことも忘れるさ」と話をする。

怪物たちの姿をしたのは、元々人間だった人たちだ。

姿形を変え、兵器として戦っているのだ。

それは他者に対する攻撃性を表しており、攻撃を他人に向けていると人はいずれ心をなくし、モンスターとなってしまう。

もののけ姫でいう、祟り神になってしまうのだ。

戦争とは人の心を忘れ、いずれ人ではなくなってしまうということである。

ハウルもいずれそうなる

他者に対する憎しみや怒りがあるといずれそのようにモンスターとなってしまう。

ハウルも姿を変えて飛び続けると元の姿に戻れなくなるのはその理由からだ。

戦争をしている人達を恨み憎しみ攻撃していると、同じように人間に戻れなくなるのである。

眠るソフィーを見つめるハウルの意味

若い姿に戻ったソフィーを見つめるハウルのまなざしは、どこか悲しげであり寂しそうにも見える。

また、愛おしいものを見つめる瞳にも見える。

まるで『僕はここにいるよ』と言っているような瞳だ。

ハウルは幼いときにソフィーに見つけてもらったあの日から探し続けていたからだ。

そして、ソフィーが若い姿に戻るための呪いを解く方法も知っているからだろう。

ハウルが癇癪をおこした理由
愛されるには自ら自己開示をする必要がある

ソフィーがお風呂の掃除をし、まじないが変わりハウルは金髪ではなく黒髪になってしまう。

ソフィーに怒り、「美しくなくては意味がない」と嘆き悲しみ癇癪を起こす。

ハウルはここで初めて”ダメな自分”を自己開示したのだ。

美しくない自分は生きていてはいけないというメッセージが隠されている。

このダメな部分を自分で愛するか、他者に愛してもらうことで乗り越えることができる。

本来は親がその役割をするのだが、ハウルは叔父に育てられサリマンに育てられているという背景から親がいないと考察できる。

また、ソフィーも父親が不在であり母親は親として生きておらず女として生きているように描かれている。

二人とも親がおらず、生まれただけで素晴らしい存在と教えてもらえていないので自己肯定感が低いのだ。

ハウルが悪の精霊を呼び出す理由

癇癪をおこし悪の精霊を呼び出しているのは、ハウルがまだ子どもだからだ。

自分自身で自分の感情をコントロールできず、「まぁいいか」と思えないからである。

そんな姿にソフィーは嫌気をさして家から飛び出したのだ。

家から飛び出したソフィー

「私は一度も美しくなんかなかった。ずっとそうしてればいいわ」と泣きながら飛び出したソフィー。

大きな声で泣いているとカブが傘を持ってやってくるのだ。

泣いている女性に優しくできる男性で普通ならカブのような男性を選ぶと幸せになれるのだが、大抵の女性は母性が強すぎるのか手のかかる男性を選びがちである。

ハウルから自己開示があったので、こんな弱い人私が守ってあげないとと思えたからだ。

このシーンは二人の初めての喧嘩と言える。

こうして本音をお互いに話し、家族になっていくのがパートナーシップである。

ソフィーはハウルを愛している
弱い自分をさらけ出すことで本当に愛されているかわかる

ハウルは部屋で横になり、ソフィーにいかないでと伝える。

その姿は今までの自信たっぷりな様子とは一転、とても弱々しい姿だ。

本当は荒れ地の魔女が怖くてたまらないこと、戦争に参加するよう呼び出されていること、弱い自分を全てさらけ出した。

ソフィーはそんな姿のハウルを見ても態度は変わらず、サリマンへ戦争に参加しませんと言いにいく。

弱いハウルも認め、愛することを辞めず守ろうとしたのだ。

ソフィーは見た目が良いから、強い魔法使いだからハウルを愛しているのではなく、本当に愛しているのである。

荒れ地の魔女も独りぼっちの人

サリマンに呼び出されてソフィーと荒れ地の魔女は再開する。

最初はおばあちゃん同士のやり取りのようでコミカルに描かれているが、そこにもまたソフィーの優しさが描かれている。

呪いをかけた荒れ地の魔女に対しても階段をのぼる応援をしているのだ。

ソフィーは本当の優しさや強さを知っているのではないだろうか。

本当の優しさとは、相手のダメな部分も認めることである。

荒れ地の魔女も自分の力を認められようと必死であったが、誰も認めてくれず悪魔に心を売ってしまったのだ。

誰かたった一人でも自分を愛し認めてくれる人間がいたらよかったが、それがおらず悪魔しかいなかったのである。

ハウルも荒れ地の魔女と同じように、認めてくれる人間がいなかったから悪魔に心を売ってしまったのだ。

そんな二人がソフィーと出会って、愛を知るのである。

ダメな自分のことを愛してくれる人がいなければ、人はいずれ悪に手を染めることが描かれているといえるのではないだろうか。

サリマン先生はいい人か

国王として君臨しているサリマンはいい人なのだろうか。

自ら呼び寄せ自分の国のために騙しているのだ。

ハウルを愛しているといいながら、ハウルにそっくりな姿の手伝いがいてハウルを自分の都合の良いように利用視聴としている。

それは本当の愛とはいえない。本当の愛とはその人がその人らしく生きることを認めることであるからだ。

ソフィーの言うように、サリマンの方が悪魔ともいえる。

心がないのは一体誰なのだろう。

そしてその悪魔に心を奪われた人を救うには、本当の愛しかないのである。

ハウルの動く城のかごめかごめは何の意味

荒れ地の魔女やハウルの本当の姿を見せようとするときに、影がかごめかごのように円で囲いその周りをまわっている。

これには、本来の姿を見せるという魔術的なものが描かれている。

ソフィーが若い姿に戻る理由

サリマンに対して、ハウルがいかに素晴らしい存在か熱弁しているとソフィーは本来の若い姿に戻っている。

本来の姿に戻るときは、本音を話しているのだ。

自分の気持ちに嘘をつかず、本音を話しているときに若い姿になっている。

眠っている時に若い姿に戻っているのは、無意識の自我であるからだ。

”こうあるべき自分”を演じているときにおばあちゃんの姿をしているといえる。

魔王になるハウルを救うにはどうすればいいのか

サリマンのところから逃げ帰ってきたソフィーは、その日の夜にハウルが化け物の姿をしている夢を見る。

夢で「あなたを救いたいの」と伝えるが、ハウルは「もう遅い」と拒否をする。

その夢はソフィーの精神世界であるのだが、いつかハウルは悪魔に心を奪われて人間に戻れなくなると思っているのだ。

そのためにも孤独なハウルを救うためにソフィーにはしなければならないことがあるのだ。

ハウルが家をプレゼントした理由

ハウルがソフィーに家をプレゼントした理由は、男性が女性に家をプレゼントすることと同じだ。

家をプレゼントすることで、愛情を表現している。

ソフィーの家にするのは、ソフィーが欲しくても手に入らなかった”家族”をプレゼントしたともいえる。

ハウルがここまでするのは、ソフィーがハウルの弱い部分も受け入れ愛してくれたからだ。

こんな弱い自分を愛してくれる人は他にはいないと思えるからこそ、自ら自己開示をする必要がある。

おばあちゃんの姿に戻るソフィーをみて怪訝な顔をする理由

ハウルはとっておきの秘密の場所をソフィーに教えた時に、ソフィーは若い姿に一瞬戻る。

本音を話しているから一瞬戻るのだが、「こんな私はきっと愛されない」と思いハウルにも愛を伝えることを怖がっているのだ。

こんな私は愛されないと思っていると人は、どうせ愛してくれないんだろという態度をとる。

本音を話してくれたと思ったら、また自分の殻にこもりおばあちゃんの姿に戻ってしまったソフィーを見て怪訝な顔をするのだ。

ハウルはソフィーが本音を話してくれる時をずっと待っているのである。

守るものや愛するものが出来ると人は強くなれる

戦争がひどくなり、ソフィーたちがいる家も危なくなっている。

今までは逃げてばかりいたハウルだったが、戦争に赴きソフィー達の家を守っているのだ。

いかないでと言うソフィーに対し、ハウルは「怖いことはない。守るべきものができた。君だ」と伝えるのだ。

とても素敵なプロポーズである。

人は守るものがあると強くなれ、ハウルは大人になったのだ。

大人になるとは

子供の頃は誰しも依存の愛で、私の思う通りに愛してほしいという欲求がある。

そこから成長し、与える愛を知ることで人は大人になれる。

ソフィーはずっと人に愛を与えてきた

ソフィーは頼りにならない親の代わりに、親として振舞い常に愛を与えてきた。

子ども時代がなかったといえる。

ありのまま私を愛されるという依存の愛を知らないので、ありのままの自分を出すことを恐れる。

依存の愛を経て与える愛を知り大人になるが、親子逆転が起こっているので初めから大人になるしかなかったのだ。

そのような人は、しっかりしなければならない、ちゃんとしていなければ愛されない、大人でいなければいけないという思い込みがある。

だからソフィーはハウルのように弱みや本音を相手にさらけ出すことが出来なかったのだ。

依存の愛から与える愛へ行くことが本当の愛だが、ソフィーはそれを知らないのである。

ソフィーの母親は毒親

ソフィーの母親が家に戻ってきて、楽しそうに会話をしている。

しかし、その裏でサリマンに頼まれてソフィー達の居場所がわかるように怪しげなバッグを置いてく。

「可哀そうなソフィー」と言っているが、娘の幸せを願うならばそのようなことをするだろうか。

全て自分のためで、ソフィーの母親は大人になれていないのである。

ハウルを助けるために動くソフィーは若い姿のまま

カルシファーを使いハウルの元へ行こうとするソフィーはずっと若い姿のままだ。

自分の気持ちに正直に動いているからである。

ハウルが死んだと思って初めて素直になれた

カルシファーを掴んで燃えている荒れ地の魔女に水をかけてしまい、ハウルは死んでしまったと思ったのだ。

ハウルが死んじゃったと大きな声で泣きだす姿は、まるで子どものようである。

ここで初めて子ども自分を素直に出すことが出来たのだ。

その時に、魔法の玄関が出てきてハウルの過去と繋がっている。

悪魔と契約をしている幼い日のハウルに対して、「必ず会いに行くから。未来で待ってて」と愛を伝えるのだ。

そこからハウルはずっとソフィーを探し続けていたのである。

ダメな自分を自身で救えることが出来たらよいが、自身ですることは難しいので誰かたった一人に認めてもらうことでその人は悪魔にならず救われる。

普段から愛する人に、愛を伝えることが出来たらよいが人は伝えることができなくなるまでその大事さに気が付かない。

生きている間にあなたに会えて良かったと、相手が生きている間に伝えないといけないのだ。

ソフィーは愛を使う魔女

ハウルの心臓を持ったままの荒れ地の魔女に対して、奪い返すのではなく優しい言葉をかけて心臓を返してもらう。

ソフィーはこのように愛で人を惹きつけているのだ。

北風と太陽の話のように、人は北風では動かない。太陽のように暖かくしなければ相手を動かすことはできないのである。

かかしのカブもソフィーに惚れていた

かかしのカブが元の姿に戻った際、ソフィーに愛を伝えるがソフィーは全く見向きもしない。

美女と野獣のような実は隣国の王子様という夢のような話だが、ジブリでは違うのだ。

夢のようなお話よりもダメダメな相手と共に生きていくことを選ぶのがジブリなのである。

ソフィーの呪いを解く方法
本物の愛を知り、愛を伝える魔法のキスが呪いを解く

人魚姫でも本当に愛している人とのキスで魔法が解ける。

ハウルの動く城も同じように、本当に愛している人とキスをすることでハウルとソフィーの呪いが解けるのだ。

ハウルはソフィーが自分から愛していると伝えてくれるまで、ずっと変わらずそばにいて待っていてくれたのだ。

相手がダメな自分や本音を話してくれるまで待つことも愛だからだ。

本物の愛を手に入れる方法
自己開示する

本物の愛を手に入れる方法は、自分の弱みを相手に自己開示することだ。

本当に愛してくれる人は、そんなダメなところも愛してくれる。

そのダメな部分を愛してくれない人は、本当に愛しているとはいえないのである。

自ら自己開示することで、相手が自分に本気かどうか選別することができる。

戦争は簡単には終わらない

最後のシーンでサリマンが「このつまらない争いを終わりにしましょう」と隣国の大臣に伝えている。

しかし、エンディングでは爆撃機の飛行船が飛んでおり、戦争が終わっていないことがわかる。

人は本物の愛をしることで争うことがなくなるが、簡単には人々は変われないし戦争は止まらないことを伝えている。

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