子どもの反抗期とは
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家族の関係から考える
人は「定位家族」と「生殖家族」2つの家族を経験する。
定位家族とは自分が生まれ親からしつけや教育を受ける家族で、生殖家族とは結婚して自身で作っていく選択していく家族のことである。
定位家族で生まれ、思春期を過ぎ生殖家族として生きていく中で、家族との関り方も変化していくものなのだ。
その都度関わり方を見直していかないと歪みが出てくる。
他者性を理解する
他者性とは、自分以外は他者であるということを理解することである。
それが理解できないと、他者は自分と全く同じ考えや価値観を持っていると思い、親子なら「自分の気持ちを全てわかってくれるはずだ」と考えてしまうことに繋がる。それは自分のことしか考えられない、他者の存在を無視する恐れがある。例えば、ストーカーなどがそうである。
このように親子であっても、身近な他者であることを理解しなければならない。
親子他者性
親子では他者性を理解することがむずかしくなる。
生まれた子どもは、親がいなければ生きていけないからだ。そこから成長し、他者性を得ていく。また自分の体から子どもを産んだ母親にとって、子どもが「他者性」を持つ存在であるということを意識しずらい傾向にある。
しかし子どもは親にとって他者性を帯びていくものと理解しなければ、過保護や過干渉、依存という弊害が出てくる。
いわゆる親子離れできない、子離れできない問題はこの他者性からもきていると考えられる。
親子であっても他者であることを理解する
反抗期親の対応
反抗期とは
親の価値観に疑問を持ったりすることから、親の言うことを聞かなくなったりその行動が激しく表れたときにいわゆる「反抗期」といわれる。
これは子どもが親から自立しようという気持ちの芽生えであるのだ。親は上手く自立を促す必要がある。
親の「包摂思考」と「子どもの自立志向」がぶつかり合う思春期
親にとって子どもはいつまでも子どもであるので、包み込みたいという気持ち「包摂思考」がある。
この親の包摂思考と子どもの自立志向がぶつかり合いが起き、親子双方の葛藤となるが、成長には必要なことである。
この葛藤を上手くやり過ごすことができなければ、のちに親子関係が歪になったり、悪い関係が続いたりするのだ。
親は子どもの自立させるために手間暇かけて子育てする必要がある
子どもが自立をするために、手間暇かけて子育てするということは一見矛盾しているようにもみえる。
しかし、子どもが自立をしていくためには、今は子どもがどの段階にいるのか親が適切に理解できないといけない。その手間暇が必要になってくる。
中学生頃にもなると自分のことはある程度できるようになり、口も達者になってくる。子育ては終わったと思う親も多いが、その年代の子どもはまだ親に甘えていたい気持ちもあり、精神的なケアは必要になってくる。
だからこそ、親はその年代にあった子育てに対する気遣いが必要なのだ。小学生くらいまでは、あまり自立や他者性を意識せず全面的に愛情を与え、中高生頃には本人の自立志向を尊重しつつもまだまだ手をかけていく必要がある。
親は子どもが他者と適切に関わりあうことのできるように、サポートしていかなければならない。
反抗期の親に求められていること
親は子どもの口から出てくる表面的な言葉に惑わされず、子どもがどの程度成熟しているのか見極めて支援する力が必要になる。
それが出来るのが大人であるという証拠だ。子どもを産んでも”大人”になっていない親が多いのではないだろうか。本当の意味で大人にならなければ、子どもが子どもを育てているのと同じで子育てはできないのである。
大人になるということ
- 経済的自立
- 精神的自立
- 人間関係の引き受け方の成熟度
大人になるということは、経済的自立だけではできない。経済的自立も現代社会では、大学まで進学することを考えるとむずかしいところがある。
精神的自立とは、「自分の欲求のコントロール」「自分の行いに対する責任」を兼ね備えていることが大人になるために重要になってくる。
さらに人間関係の引き受け方の成熟度も重要な要素の一つといえる。
それは、親しい人や社会で必要とされる役割や、きちんとした態度を行い、他者と折り合いをつけながら関わっていくことだ。
子どもが大人になることが出来るよう、支援していく力が親に必要なのだ。
人間関係の引き受け方の成熟度
嫌な人と必要以上に関わらずやりすごす力や、人は人、自分は自分という自他境界線を引くことができる力が必要になってくる。
それができなければ、必要以上に相手の問題に介入しトラブルに巻き込まれたり、自分より優れている人を見て妬む引きずり下ろしたいというルサンチマンが現れるか、自分には能力がないと落ち込む原因にもなる。
そのため、人間関係の引き受け方の成熟度を獲得する必要があるのだ。
人間関係の引き受け方の成熟度を獲得するには、参考文献の「友だち幻想」、下記に記している「アドラー心理学入門」で更に詳しく書かれている。一読頂けたら幸いです。
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健康的な大人に育てるには
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アドラー心理学とは
アドラー心理学のアドラーは、教育により人類の救済を目指した。アドラー心理学の特徴は、幸福とは何か、健康とは何か、どのように生きていくのかということを提唱しているのである。
アドラー心理学にとって育児、教育は中心的な位置づけになっている。そのため、アドラーは健康的な大人に育つための育児の目標を掲げた。
子どもの行動面の目標として「①自立する②社会と調和して暮らせる」、それを支える心理面として「①私には能力がある②人々は私の仲間である」という信念の目標を掲げている。
子どもの行動面の目標
- 自立する
- 社会と調和して暮らせる
心理面の信念の目標
- 私には能力がある
- 人々は私の仲間である
▽この目標を達成するための方法は下記参照▽
行動は信念から生まれる
自立し、社会と調和して暮らせるという行動をきちんとするには、心理面の目標である私には能力がある、人々は私の仲間であるという信念が育っていなければできない。
そのため親や教師は、信念が適切に育つような援助になっているか、その都度確認しなければならない。上記の子どものしかり方で、信念の育て方を参照ください。
自立とは
上記の『子どものしかり方』にもあるように、子どもの課題に必要以上に介入しないことは大切になる。
しかし自立とはなんでも一人で行うということではなく、困った時に誰かに助けを求めることができることでもある。
頼って依存することとは違い、自分でできることは自分で行い、自分一人で解決することが出来ない問題が生じたときに助けを求めるということが自立である。
社会と調和して暮らせるとは
人には他者から認められたいという気持ちがある。子どもの頃はその承認欲求をうまくやり過ごすことができなければ、テストの点などで結果を出すことができればよいが、そうでなければ問題行動を起こし承認してもらおうとする。
そのため、劣等感を感じてもうまくやり過ごすという調和する力が必要になってくるのだ。
他にも、嫌な人と共存するスキルも必要になってくるのである。
▽社会と調和して暮らすための方法▽
私には能力があるとは
私には能力があるとは、自分の人生の問題は自分で解決する力があるということである。この力がなければ、人生は自分でなんとかなると思うことができず、やる気がなくなり無気力になってしまう。
人々は私の仲間であるとは
子どもが成長する上で「仲間」に出会うことが大事である。子どもが最初にであう仲間は母親であるが、そこから世界を広げまわりの人と関係を築いていく必要がある。そのためにも、親は親子関係だけの親密さを強固にしていくのではなく、子どもが世界を広げる手助けをしなければならない。
アドラーは以上の4つの目標を、健康的な大人として育つために必要な目標と提唱している。
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