【いい子を辞めたい】毒親解決ブログ:ヤングケアラーどうしたらいいの

一番昔の記憶はほとんどない。気が付いた時にはギスギスしている家庭の中でピエロのように道化を演じていた。もはや演じていることすら本人は気付いていない。

沁みついたその役は長い間私を苦しめることになる。永遠に続くこの配役から降りることができたのは奇跡だ。降りることが出来たというより、降りると決めたのだ。

毎日が暴力にまみれて常に恐怖があった。誰かが怒られないように、怒られていたら慰め、暗い家庭が笑顔になるよう必死でおどけてみせた。笑い続けた私の心はとうとう壊れていたのかもしれない。

兄弟が大々的に親に反抗する中、私だけはいい子でいなければならないと誓った。自分だけでもまともでいなければいけないのだ。

親の世話を進んで行い必要とされていると勘違いしていた。両親の間に立ち、兄弟と両親の間に入ってコミュニケーションをとる。それが私の役割だと信じてやまなかった。

自分だけはおかしな親に対して優しくないといけない。そう思い込んでいた。優しく接することで私はこのおかしな人とは違うと思い込もうとしていたのだろうか。

知らずのうちに子供として必要とされているのではなく、親子逆転が起こっていただけだった。私は子供としてそこにいることは許されず、親の親としての役割を押し付けられていたのだ。

褒めてくれる親はどこにもいないのに、ただいい子だねと認められたかった。必死にピエロを演じてきたのはそのためかもしれない。

社会で人間関係を円滑にすすめることは簡単だった。長く染みついた癖が自分の心をむしばんでいるとも思わず、人の顔色を異常に気にして先回りして対応する。心はどんどん悲鳴をあげていた。

本当の気持ちを押し殺して仮面をかぶる。それで恋愛が上手くいくはずがなかった。全ての終わりが近づいていた。

その時私は産まれて初めて自分がピエロの役を演じていたことを自覚する。いままでピエロの役を必要とされ愛されていただけで、本当の自分は求めらていなことに絶望した。答えを探して開いたインターネットの文字が滲んだ。

いい子でいることを誓った自分を捨てて私はやっと私になれた。もう誰のためにも生きたくはない。笑顔の嘘つきの自分とお別れをしよう。これで私はピエロの役を終えることにする。

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